皮膚の感染症

伝染性膿痂疹は、乳幼児や小児に発生する病気であり、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌による皮膚の感染症です。
接触によっても感染することがありますので、「とびひ」とも呼ばれます。

体幹や四肢に膿疱を伴うかさぶたができ、伝染性が強く、プールや幼稚園でも子供の間で感染します。
まれに学童や成人もかかることがある病気です。
さらには最近は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌による伝染性膿痂疹も増えており、治りにくいです。

細菌感染によって発症し、鼻腔粘膜や咽頭、皮膚に常駐する黄色ブドウ球菌が原因のもの、発症している患者との接触による感染があります。
感染すると2日から5日ほどの潜伏期間をおき、体幹や四肢に水疱が出来、かさぶたも出来てかゆみを伴います。
水疱は簡単に破れて腫れなどになり、水疱内には多数の病原菌がいますので、一気に飛び散りこれが他の人へも感染させます。
特にアトピー性皮膚炎の方は発症しやすく、合併すると強烈な症状となります。

鼻をいじくるなどする細菌を広げる行為、花粉症などで鼻をかみすぎて粘膜を傷つける行為、虫さされで出来た皮膚を掻いて傷つける行為などは、感染のリスクを高めます。
一度発症すると、水疱やかさぶたは掻かないようにして、爪は短く丸く切り清潔にします。
お風呂では石けんを泡立てて、こすらず泡で洗うようにして、シャワーやかけ湯で流します。

入浴後は抗生物質の軟膏を塗り、ガーゼや包帯で保護し、水疱が破れて他の人に感染しないようにします。
完全に治らない間に、抗生物質を使うのを止めると再発しますので、完全に治るまで使用し、その間はプールなどには行かないようにします。

水疱に気をつける

日常生活の中では水疱に気をつけて、掻いて破って細菌が飛散するのを防ぎます。
発症しても入浴は制限しなくて良く、破れそうな水疱はガーゼで巻くなどして保護します。

またタオルを使用するような場合は、家族で共有することはせず、洗濯して良く乾かし、出来れば日光で殺菌すると良いです。
十分に日に当てれば殺菌の必要はないですが、曇りの日などでは消毒薬で消毒すべきです。
また消毒以外にも乾燥機を使うのも、殺菌効果発揮します。

乳幼児で特に気をつけるべき事は、鼻に原因となる菌が多くありますので、無闇に鼻を触ったり指を突っ込んだりしないようにさせます。
もしも鼻を触ったりしたならば、よく石けんで手洗いをして、爪の間なども綺麗にあらいましょう。
オムツをしているような乳幼児では、オムツを定期的に取り替えて、常に清潔に保ちましょう。
そしてなんと言っても、手足などの体を清潔に保つのと同時に、身の回りを清潔にするのも大事であり、掃除や殺菌を心がけるようにします。