耳の下に腫れが出来る症状

流行性耳下腺炎はおたふくかぜとも呼ばれる病気であり、一般的にはおたふくかぜの方が有名かもしれません。
ムンプスウイルスと呼ばれる病原菌に感染すると、耳の下の耳下腺部に腫れが出来、ほほの後ろ部分が腫れておたふくのような見た目になりますので、別名でおたふくかぜとも呼ばれます。

2~3週間の潜伏期間を経て発症し、片方または両方の耳下腺や唾液腺近くに腫れが出来ます。
通常は1週間、長くても2週間で治癒しますが、合併症も出やすく髄膜炎が出やすいので注意です。
基本は腫れがもっとも顕著に表れる症状であり、他にも嚥下痛や発熱、お腹の圧迫などがありますのが、軽症で終わることも多いです。

感染力の強いウイルスであり、接触感染や飛沫感染でうつりますが、感染しても症状が現れない方もいます。
また似たような症状の耳下腺炎、反復性耳下腺炎などもありますので、症状がでたらおたふくかぜかどうか診断しないとなりません。

合併症として髄膜炎がありますが、これは軽症に終わることが多く、他にも睾丸炎や卵巣炎などという症状を誘発することもあり、難聴、乳腺炎、腎炎などもあります。

年齢としては子供では3歳から5歳までに発症することが多く、1歳前後の乳幼児では感染しても発症しないことが多いです。
一年を通じて感染する病気であり、冬から初夏にかけて一番多く、男児の方がかかりやすいです。

もしも感染して診断を行なうなら、ウイルスを分離して判別するのが一般的であり、唾液や髄液などから分離可能ですが、発症後5日までに採取することが望ましいです。
しかしウイルス分離は難しいために、血液検査などで判別することが多いです。

基本の治療は対症療法であり、発熱にはげねつざい、合併症が出たなら安静にするというようなことを行い、おたふくかぜ自体の治療薬はありません。

ワクチンで予防

予防するにはワクチン接種が一番であり、抗体を作りますのでおたふくかぜにかかりにくくなります。
ワクチン接種を行なうと、副作用として接種後2週間ぐらいで軽度の耳下腺膨脹と微熱が起こることがあり、希に髄膜炎になる方もいます。

以前はアレルギー反応のある乳幼児にはワクチンは使うのは注意となっていましたが、ワクチンメーカーが改良を行い、ゼラチンを取り除くまたは低アレルゲンのゼラチンを使用したワクチンが作られ、アレルギーのある乳幼児にも安全に使えるようになっています。

ただワクチンは感染する前に接種すると効果的であり、患者と接触してから緊急にワクチン接種を行なうのは、あまり有効ではありません。
その場合は症状を軽くすることは出来ますが、発症を予防するのは難しいと言えます。
乳幼児ならば、集団生活を行なう時期になる前に接種した方が良いです。